すっかり春らしい気候になった休日。

近頃ロードバイクでウロつくことにハマってる嫁がまた、

思いつきで、車にチャリ積んで奈良町巡りしようと言い出した。

 

 

奈良出身の私にしては、

まあ、奈良やったら大体わかるし…、

奈良町辺りなら若い時に修行した店があるなぁ。

そうそう。今日は第2火曜日やから奈良は連休ではないし、お店営業してるやん。

20数年ぶりに顔出してみるのも良いかな…

…と軽い気持ちで奈良行きをオッケーし、出発しました。

 

 

 

その修行した店の近くに車を停め、チャリでお店まで行ってみると…

移転してました。

 

 

それなら移転先に行ってみようと調べてみるとチャリで10分程の場所。

修行時代、一緒に働いていた息子さんが経営してるようでした。

 

 

あのマスターも引退したんかな?

いやいや息子さんの代になっても 「若山君、頑張っとるか〜!?」って言いながら出てくるやろ!

と、久しぶりの再会に少し緊張しながらチャリを漕ぎ進めました。

 

 

そして、到着。

お店に入っていくと懐かしい顔が…。

息子の誠君でした。

 

あまりに懐かしい再会に興奮して喋りまくった後、

…ほんで、マスターはどうしてんの?

とドキドキしながら聞くと…

 

 

 

…いや…それが…2年前に亡くなりました。……………

 

 

 

えっ?  ええっ?  うそぉ!

全く予想してなかったので、しばらくフリーズ。

自分でも驚く程ショックを受けました。

 

 

 

ドラマのような、固い絆の師弟関係というわけではなく、どちらかといえばドライな関係でした。

 

しかし、仕事はとても厳しく熱く学びました。

若い頃はうざったいくらいにしか思えなかったのですが、今はそれが財産である事は確かです。

 

 

先見の明を持ち、常に新しい事にチャレンジする師匠でした。

それでいて、隙のない細やかな眼を持つ師匠でした。

「一つ一つの仕事、作業の意味を大切にしなさい。」

が口癖でした。

「若山君、これやってる事の意味わかるか?」

のくだりは何べん聞いたかわかりません。

 

 

あぁぁぁ〜そうかぁ〜

もっと早よ来なあかんかったなぁ〜。。。

 

ショックを引きずりながら、

息子さんと「お互い頑張ろう!」と肩を叩き合い、お店を後にしました。

 

 

 

それから、さあ奈良町へ…

なんて気分ではなかったのですが

行く気満々の嫁がいてるので、お付き合い。

奈良町散策〜春日大社〜東大寺を周りました。

 

 

奈良を巡るうちに、だんだんと気持ちも落ち着き、

春日大社参拝した時には、

「若山君、まだまだやで!もっと頑張りやぁ〜!」と叱られた気がしました。

 

 

今回の奈良行きは思いがけず、とても意味のあるものになったように思います。

先を見据え、もっともっと頑張ります。

「若山君、頑張っとるやないか!」

と言う声が聞こえるように。